発達障害を持っていても、障害を理解してくれる企業を見つけることが出来れば、就職は必ずできます。
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発達障害を持っていて、現在は障害者枠の事務職で5年間働いているjunです。
本記事を読まれている方は、
というどちらかの悩みを持っている方ではないかと思います。
結論から言えば、
発達障害を持っていても、障害を理解してくれる企業に出会えれば就職することは必ずできます。
本記事では、
- 発達障害の方が就職が難しいと言われている理由
- 発達障害の方に向いている仕事・向いていない仕事
- 発達障害の方が就職する方法
を発達障害を抱える当事者であるjunが解説いたします。
ADHD・高機能自閉症を抱える50歳の主婦です。
現在は、障害枠の事務職にて約5年間、継続して働けています。
発達障害の子供もおり、自身の障害や子育て経験をもとに、同じく障害を持つ人に役立つ記事をかければと思っています。
発達障害とは?
ここで発達障害のおさらいを簡単に。
脳の機能に偏りがあると、目や耳で入ってきた情報を頭の中で処理するときに、情報を上手く処理できるものと、出来ないものに偏りが生まれます。
普通の人は当たり前にできることでも、発達障害の人が上手く出来ないことがあるのは、この脳の機能の偏りによるもの。
それは、生まれつきの物なので、本人の努力不足や心がけの問題ではありませんよ。
発達障害とは、「発達が遅れる障害」というより、脳のクセのようなものから、困りごとが出てしまう障害です。
発達障害の種類
発達障害の種類は、下記の3つに分けられます。
- 自閉症スペクトラム
- ADHD(注意欠陥多動性障害)
- LD(学習障害)
さらに、同じ発達障害でも、知的障害を伴う人と知的障害がない人がいます。
ただ、発達障害の診断は、はっきりした線引きが難しく、医師によって多少診断名が違うこともありますね。
発達障害の診断で大切なのは、細かい診断名より、
自分の苦手と出来ることを洗い出して、生きやすくなるコツを見つける
ことです。
それでは、一つ一つ見ていきましょう。
自閉症スペクトラム
最近では、IQが高い人から低い人まで、幅広く「自閉症」の人がいることが知られていますよね。
自閉症には、知的レベルや言葉の発達の幅が広いため、自閉症の連続体という意味で「自閉症スペクトラム」と言われています。
自閉症スペクトラムの特徴
自閉症の人の主な特徴は下の3つ。
- 人と上手く交流できない
- 言葉と表情などを使って、会話をするのが苦手
- 想像力が弱く、独特のこだわりがある
想像力の弱さから、コミュニケーションに困難さがあります。
自閉症の人は、人と共感したり言葉以外の意図をくみ取るのが苦手。
想像力が弱いと、予定外のことも思い浮かばず、臨機応変な対応が出来ません。
融通の利かなさや不安から、独特のこだわりを持つようになります。
IQが高い自閉症は障害が軽い?
知的レベルが幅広い自閉症ですが、IQが高いからといって、自閉症の度合いが軽いとは限りません。
IQが高くても、自閉症の度合いが重い人もいますよ。
そんな人は、障害が見えにくくても、対人関係で多くのトラブルを抱えていたりします。
ADHD(注意欠陥多動性障害)
うっかりミスが多くて、片付けが苦手な人が多いADHD。
ADHDの特徴
ADHDは、主に下の3つの特徴がありますね。
- 多動性…気が散りやすい
- 衝動性…待てない。失言が多い。
- 不注意…忘れ物や失くしものが多い。片付けが苦手。ミスが多い。
大人になると不注意が目立つように
以前は、落ち着きのない子供の障害だと思われていたADHD。
ですが、ADHDの人は、大人になっても不注意の多さは残ります。
発達に応じて、多動や衝動性は目立たなくなっても、不注意の特徴が残れば、仕事や生活の困りごとは無くなりません。
LD(学習障害)
理解力はあっても、読み・書き・計算などのうち、特定のことが苦手な障害。
知能の遅れがなくても、授業についていくのに苦労した人も多いはずです。
大人になっても、上のうちどれかが出来ないと、仕事に支障が出ますよね。
ただ、会話は普通に出来る人も多いので、障害に気づかれない人もいますよ。
協調性運動障害
手先が不器用な微細運動が苦手なタイプと、運動音痴と言われる粗大運動が苦手なタイプがいます。
強調運動性障害、手先や体の動きにぎこちなさがあるのが特徴で、他の発達障害と重なる人も多いですね。
器用さを求められる仕事だと、周りのペースについていけず、ツラくなってしまいます。
発達障害が就職できないと言われている理由
発達障害を隠して一般の枠で就職する場合は、
就職するまでに発達障害かどうかばれなければ通常の方と就職するまでの難易度は変わりません。
なので、
ここでは障害者枠で発達障害を開示して働く場合の就職の難易度
を想定しています。
障害者枠で就職活動をするのは、発達障害の人だけではありません。
身体障害や内部障害、知的障害など、様々な障害の人が応募します。
残念ですが、
精神・発達障害より身体障害を採用したい
と思う企業は、まだまだ多いです。
その主な理由は、下記の2つ。
- 身体障害の方と比べて発達障害の方の配慮が難しい
- 発達障害の方が出来る仕事が分からない
一つ一つ見ていきましょう。
身体障害の方と比べて発達障害の方の配慮が難しい
身体障害の場合はどんな配慮をしたらいいか分かりやすいので、採用された人の定着率が高くなります。
配慮のしやすさと定着率の高さから、身体障害の人を採用したがる企業が多いんですね。
逆に発達障害の場合は、見た目では困りごとが分からない「見えない障害」です。
職場の人からすれば、障害が見えないと、どんな配慮をしたらいいか分かりません。
配慮することが分からないと、採用された発達障害の人は、働きづらくなって定着できません。
配慮と定着の難しさから、発達障害の採用をためらう企業は、少なからずあります。
発達障害の方が出来る仕事が分からない
発達障害の人は、苦手なことがあっても出来ることもありますよね。
ですが、発達障害の人の得意・不得意には個人差があります。
雇う側からすれば、得意・不得意が分からないと、どんな仕事を任せたらいいか分かりません。
仕事の分担の分かりにくさも、発達障害の就職を難しくしていますね。
発達障害に向いている仕事
発達障害の人は、目で見たモノを理解するのが、比較的得意です。
また、不注意が多くても、新しいアイデアを考えるのは上手い人もいますよね。
就職活動や仕事をする時は、そんな発達障害の特徴を頭に入れおくといいですよ。
発達障害の人に向いている仕事は、次のようなものがあります。
ADHDの人に向いている仕事
注意散漫なのは、裏を返せば、いろいろなことに興味をもつ人ということ。
じっとしているのが苦手でも、いろいろな所に目が向くのは、豊富なアイデアの源になります。
ADHDの人は、商才がある人や、クリエイティブな才能がある人が少なくありません。
そんな特性を生かせる仕事は、次のものがありますよ。
- 営業職
- 証券会社のトレーダー
- 起業家
- プロデューサー
- 舞台美術や音楽など、芸術関係
- ゲームクリエイター
- コピーライター
自閉症スペクトラムの人に向いている仕事
コミュニケーションが苦手で、こだわりの強い自閉症スペクトラムの人は、自分のペースでできる仕事が向いています。
対人関係や日常生活で困ることもある「こだわり」ですが、逆にそれが仕事の強みにもなりえますね。
発達障害の特性を生かして、地道な作業を飽きずに続けたり、細かい作業を正確に行うことができますよ。
自閉症スペクトラムの人に向いているのは、下のような仕事ですね。
- 会計士
- 統計学者
- 数学者
- プログラマー
- 校正者
- アニメーター
発達障害に向いていない仕事
発達障害の人は、目に見えない物を想像しづらいので、臨機応変な対応を求められる仕事だと苦労が絶えません。
さらに、ADHDの人は、やるべき事を一時的に覚えておくのが苦手。
そんな人は、同時進行でいろいろな作業をすると、ミスや失敗が多発します。
発達障害の人が苦手なことは、生まれつきの特性なので、無くそうとするのは時間の無駄。
それよりも、自分に合うやり方で、得意なことを生かした方が得策ですね。
発達障害の人に向いていない仕事は、次のようなものがあります。
ADHDの人に向いていない仕事
ケアレスミスが多くて、忘れっぽいADHDの人は、乗り物の運転士や正確さを求められる経理などは苦手。
さらに、いろいろな所に気を回さないといけない、旅行の添乗員なども不向きですね。
幅広く注意を向けたり、注意力を持続させることを求められる仕事は、失敗の連続で自分を責めてしまいがちです。
自閉症スペクトラムの人に向いていない仕事
こだわりが強く、コミュニケーションにぎこちなさがある自閉症スペクトラムの人は、人と接する仕事は不向き。
また、臨機応変さやマルチタスクが求められるサービス業などは、自閉症スペクトラムの人を混乱させてしまいます。
「こだわり」が障害になる仕事より、強みになる仕事を選んだ方が、自閉症スペクトラムの人にはストレスが少ないはずです。
発達障害の人が仕事の適性を知るには?
発達障害の人が仕事の適性を知るなら、知能検査が欠かせません。
そこでよく用いられるのは、WAIS-Ⅲという知能検査で、自分の得意・不得意が一目で分かります。
発達障害の診断を受けた医師に相談して、知能検査を受けてみましょう。
一口に発達障害と言っても、得意なことは、人によって違います。
さらに、得意なことと苦手なことで、大きなギャップがあるのも発達障害の特徴。
得意な事を仕事にするか、苦手な事に向き合いながら仕事をするかで、その後の人生が大きく変わります。
発達障害の就職では、自分の強みと弱みをきちんと知ることが何より大切ですね。
発達障害の方が就職する場合は、オープン就職がおすすめ
障害を隠して就職しても、定着するのが難しい
一般枠で応募するなら、発達障害をカミングアウトして、内定をもらうのは難しいです。
なので一般枠で就職する場合は、基本的には発達障害を隠して就職することになります。
発達障害を隠して無理をすれば二次障害に
発達障害を隠して仕事をすることは、普通の人の倍以上の努力が求められます。
一般枠で発達障害の人が働き続けることは、敵陣に一人で突っ込む武将のようなプレッシャーもあるでしょう。
さらに、常に強いストレスにさらされれば、心が折れて二次障害になるリスクが高まります。
無理な頑張りは、いつまでも続けられるものではありません。
定着することまでを”就職”と呼ぶなら絶対、障害枠で障害を開示して就職
発達障害の人が苦手なことは、生まれつきの脳の偏りなので、無くすことは出来ません。
発達障害を克服することより、
カミングアウトして働いた方が、自分も周りもストレスが少なくなります。
職を転々とすれば、経済的にも心理的にも不安定になりますよね。
発達障害をオープンにして働くほうが、安心して長く働けられます。
発達障害の人が就職活動をするなら、障害に理解のある職場を探せる障害者枠での就職がおすすめです。
発達障害で診断されたなら、絶対オープン就労がおすすめ
知的障害のない発達障害者の働き方は、大きく分けて「クローズ就労」と「オープン就労」があります。
それぞれ、メリット・デメリットがありますが、転職を繰り返してしまう人は「オープン就労」がおススメ。
「クローズ就労」と「オープン就労」の違いは、下の通りです。
- 定型発達の人と変わらない一般的な就職。
- 専門職など、選べる職種の幅が広い。
- 障害者雇用より給料が高い仕事が多い。
- 発達障害の特性を理解してもらえないことが多い。
- 職場でトラブルになったら、自力で解決することが求められる。
- 発達障害に理解のある職場の「障害枠」で就職する働き方。
- クローズ就労に比べて単純作業の仕事が多い。
- 平均給与は低めの傾向。
- 発達障害を理解してもらいやすい。
- 特性に合わせた働き方が選べる。
- 職場に定着できるようサポートしてくれる支援員さんが付く。
職場でトラブルになった時に、支援員さんが間に入ってくれると、問題をこじらせずに済みますね。
傷口が広がる前にトラブルを解決できるので、職場に居づらくなることが防げますよ。
また最近は、障害者枠を増やす政策もあり、発達障害の特性を生かした働き方が注目されています。
適材適所で働けるので、制約以上のメリットがあると言えますね。
⇒【実体験】精神障害・発達障害はクローズとオープンどっちがいい?両方経験した私が徹底解説
オープン就労なら障害者枠の転職エージェントを利用するのがおすすめ
障害を開示して働くなら、障害者枠の転職エージェントを利用するのがおすすめです。
転職エージェントとは、一言でいうと
求人選びを始めとした転職に必要なサポートの一切を無料で行ってくれるサービス
です。
転職エージェント利用前には必ず対面か電話での面談があるのですが、その面談を通してマッチングする企業を転職エージェントが勝手に選んでくれます。
利用者のすることはそこに応募するだけです。
転職エージェントを利用すれば応募者側・企業側の希望にマッチした求人を紹介してもらえる
障害者枠での転職は、転職エージェントを利用するほかにも
- ハローワークの障害者枠に応募
- 障害者枠の転職サイトから直接応募
することがぱっと思い浮かびますよね。
ただ、直接応募を実際してみると、わかるのですが、書類選考すらなかなか通るのが難しいのが現実。
その理由は
です。
障害者枠で求人を出している企業の中には、批判が来てしまうので表には出しませんが、実際は雇いたい障害の種類が最初から決まっているところもあります。
例えば、精神障害者はすぐに辞めそうだから雇えないとか身体障害者はバリアフリー化できていないから雇えないとか…。
となると、自分の障害の受け入れ体制のないところに応募しても時間の無駄ですよね。
一方、転職エージェントから紹介を受けた求人の場合は応募者・企業側の希望双方にマッチしている求人しか紹介されないので、書類選考率は平均約3割とグーンと上がります。
転職エージェントが応募者側・企業者側の希望にマッチした求人のみを紹介する理由
転職エージェントが応募者側・企業側双方の希望にマッチした求人のみを紹介する理由は、下記のビジネスモデルにあります。
掲載している企業からお金を貰っているので、私たちは無料で利用できるわけですね。
企業からもらう紹介手数料はだいたい年収の30%前後と言われています。
掲載企業からお金を貰っている以上、企業が希望する人材とは違う人を紹介して信頼を下げるわけにはいきません。
また紹介手数料は、転職した人がすぐに退職した場合だと転職エージェントは一部を返金しないといけません。
下記表は転職エージェントのおおよその返金金額です。
入社数日で退職 | 全額返金 |
---|---|
1か月以内の退職 | 報酬の80%の返金 |
2か月以内の退職 | 報酬の40%の返金 |
3か月以内の退職 | 報酬の20%の返金 |
6か月以内の退職 | 報酬の20%の返金 |
応募者の希望にマッチングしていない企業を安易に紹介すると、早期退職の恐れがあり、紹介手数料を貰えない可能性もあります。
また、応募者の希望にマッチしていない求人を紹介していると、口コミ等で悪評が広がりかねません。
こういった理由から転職エージェントは応募者側・企業側の両方の希望を満たす求人しか紹介しないんですね。
おすすめの転職エージェントは?
私がおすすめする転職エージェントは業界最大手の下記2つがおすすめ。
新卒の求人サイトのイメージでいうと、リクナビ・マイナビに相当する2つです。
どちらも登録しておけば紹介される求人数が増えるので、早く転職したい方は、両方登録がおすすめです。
atGPの詳細を知りたい方はこちら:
⇒【実体験】atGP(アットジーピー)エージェントの評判・口コミは?
dodaチャレンジの詳細を知りたい方はこちら:
⇒【実体験】dodaチャレンジの評判・口コミは?
その他の転職エージェントを知りたい方はこちら:
⇒【全て利用経験済】障害者の転職エージェントのおすすめ・評判を徹底解説
転職エージェントの求人は発達障害者向けのものは少ないの?
障害者枠の転職エージェントに向けたよくある口コミの一つに、
「発達障害に対して全く求人を紹介してくれない!」
というものを見かけます。
これは全くの間違いです。
atGPが企業向けに紹介しているPDF情報を見ると、
利用者の約17%
が発達障害の方です。
(企業向けのPDFは、こちらのatGP採用担当者向けのページからダウンロードできます)
約17%の利用者の方に、求人が紹介されないとなると、サービスが破綻してしまいますよね…。
エージェント・企業双方が一番恐れているのは、入社後すぐに辞められてしまうケース。
エージェント側はせっかく企業から頂いた紹介料を返金しないといけませんし、企業側はまた一から採用活動をする必要があります。
そうしたリスクをさけるためにも、早期退職の可能性がある体調の安定していない候補者には求人が紹介しづらいんですね。
一度登録してみて、求人紹介が無い場合で「体調面が原因かも?」と思われる方は、まずは病院や就労移行支援などで、体調を安定させることが先決ですね。
就労移行支援について、もっと知りたい方はこちらの記事をどうぞ。
⇒就労移行支援事業所について徹底解説!おすすめの探し方は?
まとめ
発達障害を持った方でも、自分の障害を理解してくれる企業を見つけることが出来れば、必ず就職できます。
- 自分の障害を開示できる障害者枠(オープン就労)で就職する
- 自分にマッチした企業を自動で紹介してくれる障害者向けの転職エージェントを利用するのが一番の近道
本記事が発達障害を持っている人が就職できる助けになれば幸いです!
それでは最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
障害を開示して働くメリットにもっと知りたい方はこちら:
⇒【実体験】精神障害・発達障害はクローズとオープンどっちがいい?両方経験した私が徹底解説
転職エージェントについてもっと知りたい方はこちら:
⇒【全て利用経験済】障害者の転職エージェントのおすすめ・評判を徹底解説
・発達障害を持っていたら、就職に不利なの?
・発達障害を持っていたら、どうやって就職すればいいの?