【実体験】特例子会社の障害者の求人はどこで探す?転職・就職する方法を徹底解説

本記事を読まれてている方は、

「障害者として特例子会社に働きたいけど、どのように求人を探せばいいかわからない…」

と悩んでいるはずです。

本記事では、実際に特例子会社で働いたことのある私が

  • 特例子会社を探す場所
  • 特例子会社の求人を探すポイント

を徹底解説していきます。

特例子会社で実際に働いたことのある人が書く記事はほとんどないので、特例子会社に興味のある方は是非読んでみてください。

この記事を書いている人
うつ病もちで、現在は一般企業の障害者枠にて安定して就労しています。
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【全て利用経験済】障害者の転職エージェントのおすすめ・評判を徹底解説

 特例子会社の求人は少ない

まず前提として知っておきたいのが、特例子会社の求人は非常に少ないということです。

特例子会社の数は?

まず特例子会社の数から見ていきましょう。

特例子会社の数自体は2017年度時点で464社しかありません。

2014年時点で全国にある法人企業数は約187万。いかに特例子会社が少ないかが分かりますね。

地方別での特例子会社数は下記の通り。

地方 割合
北海道 6 1.3%
東北 10 2.2%
関東 243 52.4%
中部 46 9.9%
近畿 85 18.3%
中国 26 5.6%
四国 13 2.8%
九州・沖縄 35 7.5%

地方だとさらに少なく、関東に集中していますよね。

特例子会社の求人数は?

ハローワークの障害者枠でフリーワード「特例子会社」と検索して出てくる求人数は、

  • フルタイムでの求人数:29件
  • パートでの求人数:20件

しかありません。

さらに障害者枠の求人最大手のatGPでも同様にフリーワード「特例子会社」と検索すると、

  • 7件

しかありませんでした。

atGP全体の障害者求人は、1248件(2019/11/30)。

特例子会社の求人は全体の0.5%しかないことが分かりますね。

ハローワーク・atGPともにフリーワード検索なので、すべての特例子会社数が洗い出せているわけではありませんが、それでもかなり少ない求人数ということがわかります。

数が少ないので、

  • できる限り多くの求人情報に出会うこと
  • 非公開求人や担当者のつながりから求人を紹介してもらうこと

この2つが非常に重要になります。

特例子会社の倍率を知りたい方はこちら

特例子会社の倍率は高い?実際に働いている私が解説

特例子会社を探す場所は主に5つ!

特例子会社を探す場所は主に下記の5つです。

  1. ハロワーク
  2. 就労移行支援
  3. 障害者支援・生活センター
  4. 障害者職業センター
  5. 障害者向けの転職サイト・エージェント

一つずつ見ていきましょう。

ハローワーク

一番代表的なものはやっぱりハローワークですね。

ハロワークには

  • 一般の方向けの就労窓口
  • 障害を持っている方向けの就労窓口

と2つの窓口があります。

障害者求人を探す場合は、手話や筆談ができる担当者がいたり、精神障害に詳しい担当者がいるので必ずこちらで探すようにしましょう。

私も障害者枠としての就職活動が全く分からなかった時にハローワークに行きましたが、担当者に親身になって色々教えて頂きました。

障害者枠でに転職活動が初めての方は、まずはハローワークに行って情報を集めるのが一番おすすめです。

就労移行支援

就労移行支援とは、障害を持っている方の一般企業への就職をサポートする通所型のサービスです。

障害者総合支援法に基づいて、地方自治体から認可を受けた就労移行支援の数は約3300か所以上。

月額料金は法律に基づいて下記のように設定されています。
世帯の範囲は、18歳以上の場合は障害者本人と配偶者で、親は含まれません。

世帯の収入状況 負担上限月額
生活保護 生活保護受給世帯 0円
低所得 市町村民税非課税世帯(※1) 0円
一般1 市町村民税課税世帯(所得割16万円(※2)未満)
※入所施設利用者(20歳以上)、グループホーム、ケアホーム利用者を除きます(※3)。
9,300円
一般2 上記以外 37,200円

(注1)3人世帯で障害者基礎年金1級受給の場合、収入が概ね300万円以下の世帯が対象となります。
(注2)収入が概ね600万円以下の世帯が対象になります。
(注3)入所施設利用者(20歳以上)、グループホーム利用者は、市町村民税課税世帯の場合、「一般2」となります。

出典:障害者の利用負担(構成労働省)

上記のように料金がかかる場合もありますが、私含めて、利用者のほとんどは無料だと思います。

ハローワークは求人検索のみが主なサービスですが、就労移行支援では、

  • 職業訓練
  • 就職活動のサポート(就職相談・求人検索・面接同行・履歴書サポート等)
  • 就職後のサポート(就職後の相談・就職先への定期訪問等)

と障害者の就職に関わるサポートを全般的に受けることができます。

私もハローワーク経由で就労移行支援サービスを知り、近くの支援機関を利用していました。

紹介してもらう求人自体はハローワークの求人なので、就労移行支援自体が独自の求人を持っているわけではないですが、自分にあった求人を親身になって探してくれました。

求人紹介以外にも就職までに月に2回くらいは定期的に面談し、就職や生活の悩みを相談させて頂いていました。

就職活動のペースメーカーとして、就労移行支援にも登録しておくことをおすすめします。

就労継続支援とは違うの?

就労継続支援はいわゆるA型、B型と呼ばれるところで就職サポートではなく、現時点で就職が困難な方に働く場を提供する機関です。労働に対しては工賃という形でお金が支払われます。

障害者就業・生活センター(通称なかぽつ)

障害者就業・生活センターは、名前に生活と入っている通り、障害者の就職活動支援だけではなく、生活面での支援を行ってくれるサービスで現在、全国に334か所あります。(平成30年度厚生労働省調査)

こちらは地域の福祉として各市町村レベルで設置してあり、利用料金は原則無料です。

私も近くの障害者就業・生活センターに見学に一度行きましたが、行うことは就労移行支援と大して変わらないイメージでした。

障害者職業センター

障害者職業センターも、就職に向けた全般的なサポートをしてくれる機関です。

こちらは障害者雇用促進法に基づいて、各都道府県に1つずつ設置してあります。

求人サービスも就職サポートの一環として行ってくれます。

障害者専門の転職サイト・転職エージェント

障害者専門の転職サイトや転職エージェントもかなり増えてきています。

これらの民間サイトはハローワークとは違った求人を多数持っており、またハローワークや支援機関とは違った目線でアドバイスをしてくれます。

おすすめの転職エージェントを知りたい方はこちら。
【全て利用経験済】障害者の転職エージェントのおすすめ・評判を徹底解説

結局どのように求人を探せばいいのか

特例子会社に本気で入りたい場合、多くの求人を知っている方が確実に有利です。

なので、下記のように求人を探すのがおすすめです。

  • 就労移行支援/障害者就業・生活センター/障害者職業センターに複数登録し、ハロワークの求人を一緒に探す
  • 転職エージェントに複数登録し、担当者と一緒に求人を探す

担当者がいた方がいい理由

ハローワーク、転職サイトともに必ず求人を一緒に探してくれる個別の担当者がいた方がいいです。

  • 困った時に相談に乗ってもらえる
  • 転職エージェントの場合だと非公開求人を紹介してくれる
  • 就労移行支援等の担当者と特例子会社の人事担当者がつながっている場合がある
  • トラブルがあった時に仲介に入ってくれる

などメリットがたくさんあるので原則、ハローワーク・転職サイトの求人は、各担当者と一緒に探してましょう。

ちなみにハローワークでは個別の担当者はつきません。

ハローワークは求人を紹介してくれるのがメインなので、何もわからない時の初回の相談はありですが継続して相談したいのであれば、就労移行支援等の機関や転職エージェントの担当者に相談した方がいいと思います。

何故、就労移行支援/障害者就業・生活センター/障害者職業センターは複数登録がいいの?

特例子会社は「障害者の雇用促進」という目的があるため、各福祉機関の担当者と密につながっていることがよくあります。

なので、登録した支援機関の担当者が自分の行きたい特例子会社とつながりがあった場合、スムーズに面接までつなげてもらえる可能性が高まるわけですね。

ただし就労移行支援/障害者就業・生活センター/障害者職業センターはそれぞれ名前は違いますが、実際に行っている支援内容は似たり寄ったりです。

また、紹介してくれる求人もどこの機関もハローワークの求人のみなので、メインで利用するのはどれか一つに絞ってかまいません。

近くの機関にいくつか見学に行ってみて、担当者との相性や距離等を考慮してどれか一つ利用する機関を決めましょう。

私の場合はまずハローワークに行って、実際の求人やハローワークと連携している機関をいくつか紹してもらいました。

その後、就労移行支援、障害者就業・生活センター、障害者職業センターに見学し、近くの就労移行支援のみを利用することにしました。

就労移行支援に決めた理由としては、下記の通り。

  • 単純に距離が近かった
  • 就労移行支援が一番親身になって相談に乗ってくれた
  • 一方、障害者就業・生活センター、障害者職業センターは事務的な対応に感じた
  • 障害者就業・生活センター、障害者職業センターは予約がとりずらかった。(障害者職業センターはなんと2か月待ち!)

上記の理由から、就労移行支援を選びました。

就労移行支援のみで面接同行から求人紹介まで行ってくれたので、メイン利用は一つに絞って問題なかったと感じます。

ただ、障害者就業・生活センター、障害者職業センターからも求人紹介のみはいくつかしてもらっていました。

「この会社は~がいいよ」などの会社の内情も、担当者の数だけ知る事ができたので、登録だけは複数しておいてよかったですね。

何故、転職エージェントは複数登録がいいの?

各転職エージェントは、それぞれ持っている求人内容が違います。

なので、複数登録しておいた方がより多くの特例子会社の求人を探すことができます。

また転職エージェントは自身の保有する転職サイトには載せていない非公開求人を相当数持っています

メイン利用は一つに絞ってもよいですが、各エージェントの非公開求人を紹介してもらうためにも、できる限り複数のエージェントに登録しておいた方が効率的に特例子会社の求人を探せると思います。

私も場合もいくつか転職エージェントに登録しました。

その中からメイン利用は一つに絞りましたが、一度登録すると各エージェントから電話やメールで非公開求人を紹介してもらえたので、こちらも複数登録しておいてよかったですね。

おすすめの転職エージェントを知りたい方はこちら。
【全て利用経験済】障害者の転職エージェントのおすすめ・評判を徹底解説

自分に合った特例子会社を探すポイントは?

特例子会社と言っても、会社によって雰囲気やサポート体制などは千差万別です。

  • なぜ、特例子会社がいいのか
  • どんなサポートがあれば働けるのか
  • いくらくらいの給料が欲しいのか
  • 職種は何がいいのか
  • 正社員になりたいのか

など、自分がどんな働き方を望んでいるのかをまずは考えてみることが大事です。

そのうえで、実際に特例子会社を探すうえで下記の点はチェックしておいた方がいいでしょう。

  1. サポート体制は整っているか
  2. 入社後、昇進/昇給する見込みはあるかどうか
  3. 正社員になれるかどうか
  4. 業務内容が自分に合っているか

一つ一つ見ていきましょう。

サポート体制は整っているか

個人的にサポート体制が整っているかどうかは一番大事です。

特例子会社に入る人の多くは、一般の障害者枠よりも安定して働けそうだからて入社したい人も多いのではないでしょうか。

一般的には、特例子会社の方が障害に配慮してもらいながら、安定的に働けるケースが高いです。

ただ、特例子会社の見学や面接を数社受けた印象としては、会社によってはサポート体制が充実していないところもあります。

面談してくれる方が障害に詳しくなかったり、面接の時にそのサポートはできないといわれたことも…。

入社後、昇給・賞与・昇格はあるかどうか

これは特例子会社の人事の方から聞いた話ですが、特例子会社同士、密に情報交換をしていて、給料設定などもある程度同水準になるようそろえているというお話を聞きました。

もちろん業種や会社によって多少は異なりますが求人を見ると、最初の給料設定はどこも似たような額ですね。

正直最低賃金に毛が生えた程度の給料が多いです…。

ただし、入社後の昇給/ボーナス・昇格に関しては、各特例子会社で大きく異なります。

障害者を部長や課長職の重役に積極的に登用している会社もあります。

その逆に、重役のほとんどが親会社から出向している役員が担っていることも。

また、昇給/ボーナスに関しても、頑張った分を正当に評価してくれる会社とそうでない会社があります。

野村総合研究所が2016年に行った特例子会社の調査(全特例子会社のうち、41%169社が回答)によると、昇進・昇格・ボーナスのある割合は下記の通り。

  • 昇給がある企業が73.3%
  • 賞与がある企業が68.5%
  • 昇格のある企業が40.6%

上記数値が多いとみるか少ないとみるかは人それぞれですが、どうせなら頑張ったら頑張った分だけ評価される会社の方がいいですよね。

正社員になれるかどうか

これもかなり重要な要素です。

野村総合研究所の調査が行った調査によると、賞与が貰える対象は下記の通り。

正社員にあると答えた企業が23.1%と約4分の1を占めています。

正社員の方が精神的にもよいですし、給与面・福利厚生面でも優遇されることが多いので、できるなら正社員の方がいいですよね。

精神障害の場合だと契約社員からスタートの場合が多いですが、その際は必ず正社員になれる可能性がどれくらいあるのかを調べておいた方がいいですね。

業務内容が自分にあっているかどうか

野村研究所の調査では、特例子会社の業務内容は下記の通りになっています。

調査結果を見ると、

  • 事務補助が69.2%
  • 清掃、管理が46.2%

と上記2つが業務内容の大半を占めていることが分かります。

あまり職種の幅は広くありません。

職種が限定されている分、人によっては単調と感じてしまう人もいるかもしれません。

私が最初に受け持った仕事も単調な事務作業でしたが、自分の持っているスキルを積極的にアピールした結果、やりがいのある仕事を貰えるようになりました。特例子会社でも普通の会社と同じく自分のスキルを積極的にアピールすることが大事です。

これらの情報はどう集めるのか

こういった情報はどう集めるのがいいのでしょうか。

基本的には下記の4通りあります。

  • 会社のHPや求人サイト、口コミサイトで情報収集
  • 支援機関や転職エージェントの担当者に聞く
  • 見学させてもらう
  • 面接で聞く

会社のHPや求人サイト、口コミサイトで情報収集

これが一番簡単な方法ですね。

まずは自分の気になる会社の情報をネットで収集することから始めましょう。

支援機関や転職エージェントの担当者に聞く

登録している支援機関や転職エージェントの担当者は各会社のクローズ情報を色々持っています。

なので、登録しているサービスの各担当者に聞くのが一番質のいい情報が得れるはずです。

支援機関や転職エージェントにそれぞれ複数登録しておくと、担当者の数が増え、情報を得れるチャンスが増えますよ。

見学や体験実習をさせてもらう

特例子会社の中には応募する前に、見学や実習をさせてくれるところがあります。

私も何社か特例子会社の見学や実習に参加しましたが、会社の雰囲気や働いている人の仕事内容など様々な情報を得られました。

やっぱりネットや人から聞く情報よりも、実際に体感して得る情報の方が圧倒的に質が高いので、見学や実習ができる機会があればガンガン利用するのがおすすめです。

面接で聞く

上記のやり方で自分の欲しい情報が得られなかった場合の最終手段としては、求人応募して面接で聞く方法です。

ただし、面接で給料や福利厚生を事細かに質問するのは、あまり好印象ではないのでできれば面接以外で情報を集めるのがいいですね。

まとめ

今回の記事の内容をまとめると下記の通りです。

  • 特例子会社の数・求人ともに少ないのを前提として知っておく。
  • 特例子会社の求人の探し方は下記がおすすめ。
    1. 就労移行支援/障害者就業・生活センター/障害者職業センターに複数登録し、ハロワークの求人を一緒に探す
    2. 転職エージェントに複数登録し、担当者と一緒に求人を探す
      ⇒複数登録すると、各担当者から非公開求人(転職エージェントの場合)や非公開情報を得られる機会が増える
  • 特例子会社を探す際に集めておきたい情報
    1. サポート体制は整っているか
    2. 入社後、昇進/昇給する見込みはあるかどうか
    3. 正社員になれるかどうか
    4. 業務内容が自分に合っているか
  • 上記の情報の集め方
    1. 会社のHPや求人サイト、口コミサイトで情報収集
    2. 支援機関や転職エージェントの担当者に聞く
    3. 見学させてもらう
    4. 面接で聞く

特例子会社も本当に千差万別です。

今回の記事を参考に、まずは情報収集から始めてみてください。

それでは最後まで読んで下さりありがとうございました。



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